牡蠣の豆知識
岡山県の牡蠣は何故おいしいの?
岡山の牡蠣養殖は100年以上の歴史があり、江戸時代から干潟に直接種をまいて養殖が行われてきました。
昭和20年代には筏垂下養殖の技術が確立され、日生町へと養殖漁場が広がっていきます。
地元での採描も行われるようになり、瀬戸内有数の一大産地となりました。
現在では全国第3位の生産高を誇っています。
伝統の技術を活かし、常に地元の漁師たちが牡蠣が育ちやすい海の環境づくりから努力を重ねています。
厳しい衛生管理のもとで出荷されるので、新鮮でおいしいと評判です。
牡蠣の種類と違い
真牡蠣と岩牡蠣の違い
岩牡蠣と真牡蠣は旬の時期、育ち方、特徴など、それぞれ異なります。
岩牡蠣の旬は夏で、水揚げ時期は6月~9月頃、真牡蠣の旬は冬で、水揚げ時期は10月~4月にかけてです。
<大きさ>
一般的には、養殖の真牡蠣に比べると天然物の岩牡蠣の方が殻や身が大きいと言われています。
日生牡蠣は大粒の身なので岩牡蠣に負けない程の満足感があります。
<味>
数ヶ月の時間をかけて産卵するの岩牡蠣に対し、真牡蠣は一気に産卵します。
産卵に向けて牡蠣に含まれるグリコーゲン(旨味)も貯蔵されるため、真牡蠣はとてもクリーミーな味わいがあります。
牡蠣の種類
世界に100種類以上もの牡蠣があり、日本では20種類以上牡蠣が生息していると言われています。
日生牡蠣は真牡蠣として岡山で育てられています。
一番知りたい!「食あたり」について
生牡蠣は「あたりやすい」などと言われていますが、なぜ食あたりを起こしてしまうのか原因と理由を知らない方が多い傾向にあります。
正しい知識が無いと食あたりを防ぐこともできなければ、正しい処置を行うこともできません。
牡蠣の生体と食あたりについて正しい知識を持ち、楽しい食事ができるようにしましょう!
食あたりの種類
●ノロウイルス
ノロウイルスは真牡蠣の旬と同じ寒いシーズンに流行しやすく、特に海水温が10℃を切る1~2月頃に流行します。
嘔吐物や便などに触れた場合や空気中に漂うウイルスからも感染するので注意が必要です。
ノロウイルスが心配な方は加熱調理を行いましょう。
●腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオ菌はノロウイルスとは逆に4℃以下ではほとんど繁殖しないので、冬の時期より、海水温の上がる夏に旬を迎える岩牡蠣に付着するリスクが高い細菌です。
もっとも、4℃以下では繁殖が難しいため、保存方法に気を付けることで繁殖を抑えることもできます。
●貝毒
アサリやホタテなどの二枚貝が有毒なプランクトンを食べたことで一時的に毒素を蓄積し、その貝を食べた人が中毒症状を起こす現象です。
毒性を持つプランクトンは、水温が上がり始める4月ごろから5月ごろの期間に発生しやすくなります。
そのため、冬の時期に収穫される真牡蠣では貝毒のリスクは極めて稀です。
●アレルギー
食物アレルギーは生まれながらの体質や遺伝的な要素も強いと言われています。
何のアレルギーも無いと思っていても、年齢を重ねてから突然発症するケースもあります。
数年に一度アレルギー検査を行い、牡蠣に限らず、安全で楽しく食事ができる環境を整えましょう。
あたるまでの時間と症状
ノロウイルス | <時間> 牡蠣を食べてから1~2日かけて発症するケースが多いです。 早いと、2~3時間で症状が出ることもあります。 <症状> 激しい嘔吐や止まらない下痢が主な症状です。 軽症の場合は吐き気と腹痛、わずかな下痢程度にとどまることもあります。 |
腸炎ビブリオ | <時間> 潜伏時間は8時間から24時間。 短いと2~3時間で症状が現れます。 <症状> へそ周りを中心とした激しい腹痛や下痢などが主な症状です。 発熱や嘔吐、吐き気が起こるケースもあります。 <注意事項> 牡蠣の殻を触った手やまな板や包丁などから他の食材に感染することもあるので注意しましょう。 |
貝毒 | <時間> 牡蠣を食べてから30分で麻痺症状が出ます。 <症状> 食後30分~4時間以内に下痢が発症することがあります。 酷いと呼吸困難になってしまうことも。 |
アレルギー | <時間> 牡蠣アレルギーの場合、食べてから1~2時間で症状が現れるケースが多いです。 <症状> 蕁麻疹や痒み、腹痛や吐き気、嘔吐などを引き起こすほか、症状が重いと呼吸困難に陥ることやアナフィラキシーショックを起こすことがあります。 ※あくまで目安時間です。 個人差があり、体調によって変動することもあります。 |
あたってしまったときの対処法
牡蠣にあたった場合、嘔吐や腹痛、下痢など症状が共通している症例も多く、ノロウイルスなのかアレルギーなのかわかりにくいケースも少なくありません。
症状が重いことも多いため、医師による診療を受けることが大切です。
下痢や嘔吐が起こると脱水症状も引き起こされるため、小さなお子様や高齢者は特に注意が必要です。
牡蠣を安全に食べる方法
牡蠣を安全に食べるには新鮮で衛生管理が徹底された安心の牡蠣を入手するとともに、保存方法と消費期限を守り、早めに食べることが大切です。
手洗いを徹底し、清潔な調理器具を使ってください。
生食したい際は必ず生食用のものを選ぶとともに、殻が開いてしまっている牡蠣は生では食べないようにします。
寒い時期は牡蠣がウイルスを吐き出す力が弱まるため、加熱して食べるのがおすすめです。
85度以上で90秒以上、牡蠣の中心部までしっかり加熱調理を行いましょう。
なお、貝毒は熱に強いため、家庭で加熱調理しても無毒になりません。